虹色に輝けば



数年後





今日は、雨。
私達は今も、あの屋敷に住んでいる。



あの日、キング様のおかげで儀式も済んで、リオは人間になった。
私が生きていたのは、奇跡らしい。
雨が奇跡を呼んだのだとか。







雨が好き。



私達を繋ぐ大切なものだから。
私を助けてくれたから。
晴れたら虹が、見えるから。
雨は、虹色を魅せる前触れ。
虹色の未来が見える可能性を示してくれる。







「ユキ、どうしたの?」



リオは、私を後ろから抱き締めて髪に鼻をつけた。
その抱き締める腕を、ギュッと握った。





「ユキ?」













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