虹色に輝けば
そんな毎日を繰り返してる。
今日も、迷わず脱走した。
そしたら、外は雨。
傘はもちろん、無いからそのまま歩く。
どこを目指す訳でもない。
雨は、容赦なく降り注ぐ。
体を冷たくして、動きを鈍らせる。
これは、死に似ている。
でも、違う。これは、苦しみしか生まない。
嫌い、早く止んで。
「大丈夫?」
誰かの声がして、見上げれば私よりも背が高い男の人が、私に傘を差し掛けていた。
私は迷わず、首を横に振った。
「そっか…じゃあウチ来る?」
ウチ…それって家?
今まで、家でしたことなんてないのに。