虹色に輝けば
「もちろんカラダを強要したりは、しないから。安心して?」
私は、なにも言わなかった。
カラダを繋げないなら、意味はないんだから。
そのまま、歩き出した。
ああいう世話好きは、世間体を気にするんだ。
助けてあげたことに、満足するタイプ。
グイッ
腕を掴まれ、後ろに引かれてバランスを崩した私を、危なげもなく抱き止める。
何、してるの?
意味がわからなくて、相手の表情を見れば、切なそうにしてる。
「なんで」
久しぶりに発した言葉は、雨音に溶けていく。
言葉を発する必要性がなくて、何も言わなかったんだけど…今とっさに呟いてしまった。