月と太陽の事件簿9/すれちがいの愛情
火を発見したのは一階に住む男性で、ハタチのフリーター。
庭に面した窓辺に座りながらTVを観ていた。
9月の、残暑厳しい昼下がりで、窓は開けっ放しだった。
TVが午後1時を告げた頃、部屋の中に煙が入ってきたのに気付いた。
外を見ると、庭にあった新聞紙が燃えていた。
あわてて昼食のラーメンの丼に水を入れて庭に飛び出し、燃えている新聞紙に水をかけた。
おかげでボヤ程度で済んだが、火災発生当時あたりに火の気はまったくなかった。
「じゃ放火だったの?」
「それがそうとも言えないの」
そのフリーターの男性いわく、庭に人が入ってきたという気配はまったく感じなかったそうだ。
「TVのCMの合間なんかにね、何気なく庭に目をやったりしてたらしいのよ」
「でも不審な人物は見なかったと…」
淑恵はうなずいた。
「その燃えた新聞紙ってあたしが庭に出したやつだったのよ」
庭に面した窓辺に座りながらTVを観ていた。
9月の、残暑厳しい昼下がりで、窓は開けっ放しだった。
TVが午後1時を告げた頃、部屋の中に煙が入ってきたのに気付いた。
外を見ると、庭にあった新聞紙が燃えていた。
あわてて昼食のラーメンの丼に水を入れて庭に飛び出し、燃えている新聞紙に水をかけた。
おかげでボヤ程度で済んだが、火災発生当時あたりに火の気はまったくなかった。
「じゃ放火だったの?」
「それがそうとも言えないの」
そのフリーターの男性いわく、庭に人が入ってきたという気配はまったく感じなかったそうだ。
「TVのCMの合間なんかにね、何気なく庭に目をやったりしてたらしいのよ」
「でも不審な人物は見なかったと…」
淑恵はうなずいた。
「その燃えた新聞紙ってあたしが庭に出したやつだったのよ」