月と太陽の事件簿9/すれちがいの愛情
「おい、聞いてるのかよ藤森!」
子供のそれとは思えない激しい剣幕に思わず足をとめる。
よく見ると男の子たちは1人の女の子を取り囲んでいた。
おびえたような上目遣いをしていたが、口は真一文字に結ばれており、男の子たちの慟喝にも泣き出すような素振りは見られない。
しかしその態度が男の子たちには気に入らなかったらしい。
「この!」
4人の中でいちばん体の大きな男の子が拳を振りあげた。
「ちょっとストップ!」
あたしはあわてて子供たちの輪の中に割って入った。
拳を振りあげた男の子が面食らった様子であたしを見る。
「なんだよおばさん」
おばさんって…!
失礼な、あたしゃまだ28だ!
しかし子供相手にムキになっても仕方ないので、ぐっとこらえる。
「あのね、男の子が女の子をいじめちゃダメでしょ?」
男の子は一瞬バツの悪そうな顔になったが
「だってそいつウソつきなんだもん」
子供のそれとは思えない激しい剣幕に思わず足をとめる。
よく見ると男の子たちは1人の女の子を取り囲んでいた。
おびえたような上目遣いをしていたが、口は真一文字に結ばれており、男の子たちの慟喝にも泣き出すような素振りは見られない。
しかしその態度が男の子たちには気に入らなかったらしい。
「この!」
4人の中でいちばん体の大きな男の子が拳を振りあげた。
「ちょっとストップ!」
あたしはあわてて子供たちの輪の中に割って入った。
拳を振りあげた男の子が面食らった様子であたしを見る。
「なんだよおばさん」
おばさんって…!
失礼な、あたしゃまだ28だ!
しかし子供相手にムキになっても仕方ないので、ぐっとこらえる。
「あのね、男の子が女の子をいじめちゃダメでしょ?」
男の子は一瞬バツの悪そうな顔になったが
「だってそいつウソつきなんだもん」