月と太陽の事件簿9/すれちがいの愛情
しばらくたってから淑恵のうろたえた声が聞こえてきた。
『大丈夫、理花!?ねぇ、大丈夫!?』
明らかに只ごとではない様子だった。
そしてつい先日、買い物から帰ってきた淑恵とリカちゃんを見かけた。
菊村は、半袖からのぞくリカちゃんの腕に目をとめた。
そこには大きな青あざがあった。
なにかで叩かれたようなあざに見えた。
菊村の視線に気付いた淑恵はリカちゃんを隠すようにして、あわてて部屋に入っていった。
そして翌日からのリカちゃんは、長袖を着るようになった。
「その女の子の長袖姿は貴方も見てるのよね?」
里見さんの言葉にあたしはうなずいた。
菊村はそれ以来、隣室の動向をそれとなくうかがうようになった。
そして昨日、街中で見かけた淑恵が警視庁に入っていくのを見て仰天したらしい。
「まさか自首か?なんて思ったそうで」
それで意を決して、淑恵と別れたあたしに声をかけたのだそうだ。
『大丈夫、理花!?ねぇ、大丈夫!?』
明らかに只ごとではない様子だった。
そしてつい先日、買い物から帰ってきた淑恵とリカちゃんを見かけた。
菊村は、半袖からのぞくリカちゃんの腕に目をとめた。
そこには大きな青あざがあった。
なにかで叩かれたようなあざに見えた。
菊村の視線に気付いた淑恵はリカちゃんを隠すようにして、あわてて部屋に入っていった。
そして翌日からのリカちゃんは、長袖を着るようになった。
「その女の子の長袖姿は貴方も見てるのよね?」
里見さんの言葉にあたしはうなずいた。
菊村はそれ以来、隣室の動向をそれとなくうかがうようになった。
そして昨日、街中で見かけた淑恵が警視庁に入っていくのを見て仰天したらしい。
「まさか自首か?なんて思ったそうで」
それで意を決して、淑恵と別れたあたしに声をかけたのだそうだ。