月と太陽の事件簿9/すれちがいの愛情
母親に、淑恵に固く口止めされてもオバケがいると言い張る理由は?
「鑑識課としては、気になることがもうひとつあるわね」
「不審火ですか」
里見さんはうなずいた。
「火のないところに煙は立たずと言うけれど、人気のないところで火事が起こる原因は何かしら」
しかも火元はふたつとも淑恵の出した新聞紙だ。
「もし虐待がストレスによるものだとしたら…」
「そのストレスが子育てによるものではないとしたら…」
あたしたちは視線をかわした。
「謎を解く必要があるわね」
「はい」
「となると『彼』の出番ね?」
里見さんは微笑んだ。
「鑑識課としては、気になることがもうひとつあるわね」
「不審火ですか」
里見さんはうなずいた。
「火のないところに煙は立たずと言うけれど、人気のないところで火事が起こる原因は何かしら」
しかも火元はふたつとも淑恵の出した新聞紙だ。
「もし虐待がストレスによるものだとしたら…」
「そのストレスが子育てによるものではないとしたら…」
あたしたちは視線をかわした。
「謎を解く必要があるわね」
「はい」
「となると『彼』の出番ね?」
里見さんは微笑んだ。