月と太陽の事件簿9/すれちがいの愛情
最初のボヤ騒ぎがあった庭に入った。
庭といっても本当にせまくて荒れ放題。
灌木は手入れされておらず、地面はひび割れ、落ち葉と雑草が表面を埋め尽くしていた。
「こんなせまい庭じゃ人が入ってきたらわかるわよね」
そう言いながらあたしはアパートを見た。
庭には1階の3部屋が面している。
1階の部屋は3つとも留守だった。
淑恵とリカちゃんが住む部屋は真ん中。
淑恵はパート事務として働いており、リカちゃんは学校に行っているはずだった。
「ほんと、人気も火の気もなさそうね」
達郎を見ると、しきりにあたりを眺めていた。
「どしたの?」
「どっかに鏡がないかなと思って」
「鏡?」
「レーザーを使って火を点けたかもしれない」
「…『ガリレオ』ネタはもう古いわよ?」
返事の代わりに達郎は黒い絹の手袋をはめた。
そしてガサガサと地面をあさり出した。
怪しい足跡や火の気がないか探っているようだ。
…ごまかしたな。
庭といっても本当にせまくて荒れ放題。
灌木は手入れされておらず、地面はひび割れ、落ち葉と雑草が表面を埋め尽くしていた。
「こんなせまい庭じゃ人が入ってきたらわかるわよね」
そう言いながらあたしはアパートを見た。
庭には1階の3部屋が面している。
1階の部屋は3つとも留守だった。
淑恵とリカちゃんが住む部屋は真ん中。
淑恵はパート事務として働いており、リカちゃんは学校に行っているはずだった。
「ほんと、人気も火の気もなさそうね」
達郎を見ると、しきりにあたりを眺めていた。
「どしたの?」
「どっかに鏡がないかなと思って」
「鏡?」
「レーザーを使って火を点けたかもしれない」
「…『ガリレオ』ネタはもう古いわよ?」
返事の代わりに達郎は黒い絹の手袋をはめた。
そしてガサガサと地面をあさり出した。
怪しい足跡や火の気がないか探っているようだ。
…ごまかしたな。