月と太陽の事件簿9/すれちがいの愛情
そう思いつつもあたしも捜査用の白手袋をはめて屈み込んだ。
しばらく2人で地面をあさっていたが、ふと達郎が何かに気付いて顔をあげた。
「達郎?」
達郎は並んだ灌木の間をじっと見つめていた。
木々の間からもれる陽射しがその顔を照らす。
「達郎ってば」
達郎はあたしの声を無視して立ち上がった。
そのまま歩いて木々の間に割って入ってゆく。
あたしはあわてて達郎の後を追った。
木々の間を抜けた向こう側にはブロック塀が見えていた。
塀の向こう側には築50年はたとうかという平屋が一軒見える。
「よっと」
達郎はブロック塀に手をかけるとあっという間に登ってしまった。
「ちょっと達郎!」
あたしは瞬時に目付役モードに入り、あわてて声をかけた。
しかし時すでに遅し。
縁側でお茶を飲んでいた隣家のお婆さんと目が合ってしまった。
お婆さんは塀の上の達郎と、あわてふためくあたしを見て、ポカンと口を開けた。
しばらく2人で地面をあさっていたが、ふと達郎が何かに気付いて顔をあげた。
「達郎?」
達郎は並んだ灌木の間をじっと見つめていた。
木々の間からもれる陽射しがその顔を照らす。
「達郎ってば」
達郎はあたしの声を無視して立ち上がった。
そのまま歩いて木々の間に割って入ってゆく。
あたしはあわてて達郎の後を追った。
木々の間を抜けた向こう側にはブロック塀が見えていた。
塀の向こう側には築50年はたとうかという平屋が一軒見える。
「よっと」
達郎はブロック塀に手をかけるとあっという間に登ってしまった。
「ちょっと達郎!」
あたしは瞬時に目付役モードに入り、あわてて声をかけた。
しかし時すでに遅し。
縁側でお茶を飲んでいた隣家のお婆さんと目が合ってしまった。
お婆さんは塀の上の達郎と、あわてふためくあたしを見て、ポカンと口を開けた。