魔法のキス
「ノア、気が付いた?あぁまた布団に隠れているんだね」


入ってきたのは、謎の青年レックスだった。

私は眉をひそめ、身を硬くして後退った。



「そんなに恐がらないで。さっきは時間がないとはいえ、強引なことをして悪かったよ。本当にごめん」


レックスは、綺麗な目を伏せ、申し訳なさそうに深く頭をさげた。

今朝のことを心から詫びているようだった。


悪い人じゃなさそう。


むしろ彼のちょっとした仕草に、大切にされていることが伝わってくる。



私は、そっと身体の力を抜いた。

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