ワタシと恋をしましょう!
「え…そう、だったんですか」
驚きと、戸惑いでまともに言葉を発せなかった。
彰人さんが、社長の息子だなんて知らなかったし…やっぱり、何かすごい。
「じゃあ、今はその会社で仕事してるんですか?」
「ああ、別に教師という職業に特別こだわりはない」
へぇ~なんて、言ってみたものの、実際には状況を飲み込めてない。
彰人さんは、私が何も言わなくなったのを確認して、車を走らせた。
慣れない車は、落ち着かないもので、キョロキョロと視線を泳がせていた。
「やはり、落ち着かないものだな」
「え?彰人さんも?」
「ああ、あの車じゃないと調子狂う」