ワタシと恋をしましょう!
「730円デス」
店員の悲しそうな声を聞きながら、お金を払い商品を受け取る。
既に、ホワイトデー用にラッピングされているそれは、ピンク色の包装紙に包まれている。
みんなはどこかな~なんて、探そうとした刹那。
「え、わわわわ!」
誰かに腕を強く引かれ、抱きしめられていた。
色気のない声に、その人物はクスクスと笑う。
もちろんそれは、変質者ではなくて先生なんだけど。
「え」
店員の嫌そうな声は、互いにスルーして、先生を見た。
相変わらず手が冷たい。
何故か、昨日会ったような、感覚に陥った。
この感じこそ、運命共同体だよね。