ワタシと恋をしましょう!
――翌朝
「せんせ、遅刻するよお〜」
泣きそうに私は、室内を走り回る。
あと20分で家を出なきゃいけないのに、今起きたばっかり。
しかも、今日は入学式なのに。
「遅くまで寝てるからだろ?」
「何よ、先生が起こしてくれたらいいじゃない?」
彰人さんをキッと睨むと、私は洗面所へ入る。
昨日というか今日の朝方まで、彰人さんに求められて、寝られなかったんだから。
起きれる訳がないでしょ。
「あまりにぐっすり寝てるから起こすことができなかった」
いつの間にか私の後ろに居た彰人さんは、そのまま私を抱きしめた。
彰人さんの瞳は、哀しそうで少し意地悪しすぎちゃったかな。
単なる照れ隠しだったんだけど。
でも、私は何も言わずにメイクを始める。
だって時間ないんだもの。
「美空、怒ってる?」
彰人さんはもうスーツを着て、すぐに出掛けられる格好だからか、私を抱いたままだった。