ワタシと恋をしましょう!
「これから様々なことがあると思います。しかし志した道へ諦めず一歩一歩歩んでください」
学長の言葉は、心に響いた。
何があっても頑張るよ。
彰人さんと一緒にね。
さりげなく彰人さんを見上げると、優しく微笑んで手をギュッと握ってくれた。
「入学式を終わります。明日、オリエンテーションがあるので遅れないように来て下さい」
拍手と共に、式は終わった。
「私頑張るね」
「ああ、辛いときはワタシやみんなに頼ればいい」
「ありがと」
「私、矢崎美咲だよ!」
彰人さんとの会話が途切れるのを待ったように隣の女の子が声をかけてきた。
「私は鷲尾美空だよ、よろしくね」
「あ、じゃあまたね」
彼女は先に行っていた母親の後を追って去っていった。
お母さん…か。