ワタシと恋をしましょう!
我に帰れば、野次馬が何人もいて、痛々しい視線を浴びる。
祝福半分、迷惑半分ってとこだろうか。
恥ずかしくなって、さっさとその場を離れようとすれば、当然のように手を握られて、更に恥ずかしくなったのは、言うまでもない。
「彰人!」
亮介さんの一言から、光も里奈もようやく、事態が飲み込めたみたい。
確かに、人集りがあまりに多くて見えない気がする。
「あれ、琴美さんって…」
先生と会って、気付いた。
琴美さんが今日来れない理由も、この売り場にいた理由も。
「彰人がね、美空ちゃんにあげるチョコが買いたいってさ。だから、断っちゃったのよ~。ごめんね」