香る紅
「?篠峯、早くしろ。」
先生ったら、こんな時に当てなくてもいいのに・・・。
意を決して、席を立ったその時。
世界が、回った。
『ガタガタッバサッ!』
なんだか大きな音がしたと思ったら、私の机と椅子、教科書やノートがぐちゃぐちゃになっていて。
視界を巡らせると、私の目線にはクラスのみんなの足。
天井が、あまりにも、遠い・・・。
「織葉!やだ、しっかりして!」
「おい、織葉!!」
祈咲ちゃんと、いつもは笑っている実紘くんまで心配そうにして近付いてきたのだけ確認する。
だけど、どんどん音が聴こえなくなって、視界も狭まってくる。
そこでやっと自分の状態を理解する。
あれ、やっぱり、立てないで倒れたんだ・・・。
でも、理解はしたけど、もう指一本を動かすのも出来ない。
どうしよう。
どうすればいい?
そんな、混乱状態の私の体が、浮いた気がした。
聞こえにくい耳でも、教室が一瞬ざわついて、すごく静かになったのがわかった。
落ちてくる瞼をどうにかしてあげて見上げると、そこには緋凰。
緋凰が、助けてくれた、そのことだけ理解すると、安心から、意識を保っていられなくなった。
でも、安心と同時に情けなさが心の内を占拠する。
何やってるんだろう、私。
緋凰のために来たのに、緋凰に助けてもらって。
緋凰に迷惑かけて。
これじゃ、緋凰が怒っても、当然だよね。
謝らなきゃ・・・。
*
先生ったら、こんな時に当てなくてもいいのに・・・。
意を決して、席を立ったその時。
世界が、回った。
『ガタガタッバサッ!』
なんだか大きな音がしたと思ったら、私の机と椅子、教科書やノートがぐちゃぐちゃになっていて。
視界を巡らせると、私の目線にはクラスのみんなの足。
天井が、あまりにも、遠い・・・。
「織葉!やだ、しっかりして!」
「おい、織葉!!」
祈咲ちゃんと、いつもは笑っている実紘くんまで心配そうにして近付いてきたのだけ確認する。
だけど、どんどん音が聴こえなくなって、視界も狭まってくる。
そこでやっと自分の状態を理解する。
あれ、やっぱり、立てないで倒れたんだ・・・。
でも、理解はしたけど、もう指一本を動かすのも出来ない。
どうしよう。
どうすればいい?
そんな、混乱状態の私の体が、浮いた気がした。
聞こえにくい耳でも、教室が一瞬ざわついて、すごく静かになったのがわかった。
落ちてくる瞼をどうにかしてあげて見上げると、そこには緋凰。
緋凰が、助けてくれた、そのことだけ理解すると、安心から、意識を保っていられなくなった。
でも、安心と同時に情けなさが心の内を占拠する。
何やってるんだろう、私。
緋凰のために来たのに、緋凰に助けてもらって。
緋凰に迷惑かけて。
これじゃ、緋凰が怒っても、当然だよね。
謝らなきゃ・・・。
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