香る紅
6時限目も終わって、やっと帰れる時間。
今は下駄箱。
織葉の所に行くのに、どうしても一人で行きたくて、実紘を撒こうとした。
だって、一緒に行ったら、実紘は私のそういうの止めるから、緋凰のこと怒鳴れない。
ここを出ればもう、撒いたも同然。
そこでぽすっと突然できた壁にぶつかった。
「・・・え?」
こんなところにこんな柔らかい壁、ないはずなのに?
なんて暢気なことを考えてたら、面白そうな声が降ってきて、肩をホールドされた。
「はい、忍者みたいなことを御苦労さま、祈咲。」
「・・・!実紘・・・!」
日々、常時面白そうな実紘には、ほんとに感心してしまう。
「織葉のとこに行きたいって、素直に言えばいいのに。一人で行ったら、また迷子になるよ?」
・・・この、極度の方向音痴、どうにかならないかな・・・。
緋凰みたいに陽に弱いのも困りものだけど。
ヘタすれば、一人じゃ日常生活も送れないよ・・・。
この頃学校もやっと迷わなくなってきたのに。
「違うわ。緋凰に、一言いいに行くのよ!」
頭の中に、4時限目、織葉が倒れた時のことがフラッシュバックされる。
*
今は下駄箱。
織葉の所に行くのに、どうしても一人で行きたくて、実紘を撒こうとした。
だって、一緒に行ったら、実紘は私のそういうの止めるから、緋凰のこと怒鳴れない。
ここを出ればもう、撒いたも同然。
そこでぽすっと突然できた壁にぶつかった。
「・・・え?」
こんなところにこんな柔らかい壁、ないはずなのに?
なんて暢気なことを考えてたら、面白そうな声が降ってきて、肩をホールドされた。
「はい、忍者みたいなことを御苦労さま、祈咲。」
「・・・!実紘・・・!」
日々、常時面白そうな実紘には、ほんとに感心してしまう。
「織葉のとこに行きたいって、素直に言えばいいのに。一人で行ったら、また迷子になるよ?」
・・・この、極度の方向音痴、どうにかならないかな・・・。
緋凰みたいに陽に弱いのも困りものだけど。
ヘタすれば、一人じゃ日常生活も送れないよ・・・。
この頃学校もやっと迷わなくなってきたのに。
「違うわ。緋凰に、一言いいに行くのよ!」
頭の中に、4時限目、織葉が倒れた時のことがフラッシュバックされる。
*