香る紅
「・・・」
ちゃんと目が覚めた時は、すでに次の日の朝だった。
補助剤を飲んでたっぷりと寝たおかげか、体の調子はほぼ戻っていた。
が、時計を見るとすでにぎりぎりの時間で。
私が起きると、秋野さんと美詠子さんが必至の剣幕で寄ってきた。
「やだ、あと30分しかないわよ!」
「着替え!お化粧!ごはんー!」
二人が急いでくれている中、私は夢か現かわからない、緋凰の笑顔が忘れられなかった。
今はもう熱を感じない右手が、やたらと寂しかった。
*
ちゃんと目が覚めた時は、すでに次の日の朝だった。
補助剤を飲んでたっぷりと寝たおかげか、体の調子はほぼ戻っていた。
が、時計を見るとすでにぎりぎりの時間で。
私が起きると、秋野さんと美詠子さんが必至の剣幕で寄ってきた。
「やだ、あと30分しかないわよ!」
「着替え!お化粧!ごはんー!」
二人が急いでくれている中、私は夢か現かわからない、緋凰の笑顔が忘れられなかった。
今はもう熱を感じない右手が、やたらと寂しかった。
*