香る紅
Ⅵ
「昨日、倒れた織葉さんを見て・・・俺が守ってあげたいと思ったんだ。」
「いつも優しい織葉、君が好きだよ。」
「織葉、俺のそばにいてくれないか・・・?」
3人はどこから来る自信かは知らないけど、にこやかに気味の悪い愛想笑いをしながら告白してきた。
屋上にはさんさんと春の日差しが下りてきていて、暖かい、けど、なんだかこの人たちが邪魔。
話したこともないのに、名前も知らないのに、なぜか名前呼び捨てにされてるし・・・。
ていうか、授業、完璧遅刻・・・、人の迷惑顧みないってどうなのかしら。
「・・・ええと。すみませんが、私はどなたともお付き合いする気はございません。お気持ちだけいただきます。私に好意をもって下さって、ありがとうございました。」
ぺこっと頭を下げて、屋上をでるドアへ向かう。
『キーンコーンカーンコーン』
遅刻だとは思っていたけど、屋上で授業開始のチャイムを聞くと、絶望的。
・・・絶対祈咲ちゃん、心配して叫んでるよね・・・。
そんなことを思いながら、ドアに向かっていたのに。
「ちょっと待ってよ!こんなに頼んでるのに、即答でそれはないんじゃない?」
「ずっと好きだったんだよ!?もう少し考えるふりくらいしたらどうなんだ?」
「俺を振るなんていい度胸じゃないか!それとも誰か好きなやつでもいるのか!?」
肩、腕、手をそれぞれの人に強くつかまれて、強引に振り向かされる。
つかまれたところは、力を込められて、痛い。
先程の愛想笑いはどこへやったのやらというほどの、表情の変わりよう。
そんなに言うほど、熱心に告白された覚えもないんだけどなぁ・・・。
「・・・やめてください。」
「この中の一人くらい、考えてみようという気にはならないのか?」
「そうだ!返事は待ってやるから、考えてみろよ!」
「俺はいつまでも待つよ?」
こういう人達って、絶対に人の話聞いてくれないのよね・・・。
なんだかいつまでも放してくれそうにないこの人たちに、嫌気が差してきた。
*
「いつも優しい織葉、君が好きだよ。」
「織葉、俺のそばにいてくれないか・・・?」
3人はどこから来る自信かは知らないけど、にこやかに気味の悪い愛想笑いをしながら告白してきた。
屋上にはさんさんと春の日差しが下りてきていて、暖かい、けど、なんだかこの人たちが邪魔。
話したこともないのに、名前も知らないのに、なぜか名前呼び捨てにされてるし・・・。
ていうか、授業、完璧遅刻・・・、人の迷惑顧みないってどうなのかしら。
「・・・ええと。すみませんが、私はどなたともお付き合いする気はございません。お気持ちだけいただきます。私に好意をもって下さって、ありがとうございました。」
ぺこっと頭を下げて、屋上をでるドアへ向かう。
『キーンコーンカーンコーン』
遅刻だとは思っていたけど、屋上で授業開始のチャイムを聞くと、絶望的。
・・・絶対祈咲ちゃん、心配して叫んでるよね・・・。
そんなことを思いながら、ドアに向かっていたのに。
「ちょっと待ってよ!こんなに頼んでるのに、即答でそれはないんじゃない?」
「ずっと好きだったんだよ!?もう少し考えるふりくらいしたらどうなんだ?」
「俺を振るなんていい度胸じゃないか!それとも誰か好きなやつでもいるのか!?」
肩、腕、手をそれぞれの人に強くつかまれて、強引に振り向かされる。
つかまれたところは、力を込められて、痛い。
先程の愛想笑いはどこへやったのやらというほどの、表情の変わりよう。
そんなに言うほど、熱心に告白された覚えもないんだけどなぁ・・・。
「・・・やめてください。」
「この中の一人くらい、考えてみようという気にはならないのか?」
「そうだ!返事は待ってやるから、考えてみろよ!」
「俺はいつまでも待つよ?」
こういう人達って、絶対に人の話聞いてくれないのよね・・・。
なんだかいつまでも放してくれそうにないこの人たちに、嫌気が差してきた。
*