香る紅
Ⅶ
私と実紘が屋上に着いたとき。
緋凰が『馬鹿の一つ覚えみたいにわかりやすい』って言ってたのを思い出し、それらしいところを回ってすぐに屋上に着いたとき。
その時、そこには緋凰と織葉しかいなかった。
二人は、抱き合ってた。
なんだ、大丈夫だったんだ、そう安心した瞬間だった。
『ドサリ・・・』
緋凰の腕の中にいた織葉が、突然力をなくしてその場に倒れた。
「え・・・?」
倒れた織葉はもともと白いのに、人形のように血の気がなかった。
緋凰の瞳はいまだ黄金色に輝き続けてる。
『ガツッ』
状況を理解できなくて硬直していたから、その音にハッとさせられる。
それは実紘が緋凰を殴った音だった。
「緋凰!!落ち着け何してる!織葉しっかりしろ!!」
実紘は織葉の介抱を始め、緋凰は実紘の一発が効いたのか、瞳はすぐさまもとの色に戻り、なぜか安心の色を示した後、後悔したようになって、実家に迎えを至急よこすように電話をかけだした。
「織葉・・・!しっかりして、織葉!」
やっと体が動いて織葉のもとに駆け寄ると、織葉の意識は全くなかった。
遠目から見ても白かったけど、近くで見ると、死んでしまっているんじゃないかと思うほど白い。
「やだ、織葉!織葉!」
近くで見ると、織葉の頬には涙の跡があった。
また、緋凰は織葉を泣かせたんだ・・・!
そこですぐに迎えの車が来たらしく、緋凰は織葉を抱き上げて車に連れて行った。
私と実紘は緋凰と織葉の荷物を取りに教室に一回戻ってから車に行った。
その間、さっきの光景を、信じられない気持ちで思い出していた。
たぶん、昨日みたいに、緋凰は織葉の血を、限界ぎりぎりまでとったんだろう、けど、ここは学校で。
今まで織葉にどんな態度をとっていても、それは緋凰から織葉への愛情の裏返しだとわかってた。
だけど、この頃の緋凰の行動はわからない。
いつか本気で、緋凰は織葉を、殺してしまうんじゃないかとすら、思う。
*
緋凰が『馬鹿の一つ覚えみたいにわかりやすい』って言ってたのを思い出し、それらしいところを回ってすぐに屋上に着いたとき。
その時、そこには緋凰と織葉しかいなかった。
二人は、抱き合ってた。
なんだ、大丈夫だったんだ、そう安心した瞬間だった。
『ドサリ・・・』
緋凰の腕の中にいた織葉が、突然力をなくしてその場に倒れた。
「え・・・?」
倒れた織葉はもともと白いのに、人形のように血の気がなかった。
緋凰の瞳はいまだ黄金色に輝き続けてる。
『ガツッ』
状況を理解できなくて硬直していたから、その音にハッとさせられる。
それは実紘が緋凰を殴った音だった。
「緋凰!!落ち着け何してる!織葉しっかりしろ!!」
実紘は織葉の介抱を始め、緋凰は実紘の一発が効いたのか、瞳はすぐさまもとの色に戻り、なぜか安心の色を示した後、後悔したようになって、実家に迎えを至急よこすように電話をかけだした。
「織葉・・・!しっかりして、織葉!」
やっと体が動いて織葉のもとに駆け寄ると、織葉の意識は全くなかった。
遠目から見ても白かったけど、近くで見ると、死んでしまっているんじゃないかと思うほど白い。
「やだ、織葉!織葉!」
近くで見ると、織葉の頬には涙の跡があった。
また、緋凰は織葉を泣かせたんだ・・・!
そこですぐに迎えの車が来たらしく、緋凰は織葉を抱き上げて車に連れて行った。
私と実紘は緋凰と織葉の荷物を取りに教室に一回戻ってから車に行った。
その間、さっきの光景を、信じられない気持ちで思い出していた。
たぶん、昨日みたいに、緋凰は織葉の血を、限界ぎりぎりまでとったんだろう、けど、ここは学校で。
今まで織葉にどんな態度をとっていても、それは緋凰から織葉への愛情の裏返しだとわかってた。
だけど、この頃の緋凰の行動はわからない。
いつか本気で、緋凰は織葉を、殺してしまうんじゃないかとすら、思う。
*