香る紅
「緋凰、ごめんなさい。もう怒らないで。お願い。」
それはもう、謝ることを本能に刻み込まれているみたいに、謝った。
こうなった緋凰からとられるのは、とられすぎるから、危ないから。
感情の高ぶりのままに理性が飛んでしまいやすいから。
獣になってしまいやすいから。
緋凰は私の言葉に一回顔を放して、金色の瞳のまま、不思議そうな顔をした。
「お前、俺に怒られるようなことした覚え、あんのかよ。」
「わかんないけど・・・。でも、知らないうちに緋凰に嫌な思い、させてるかもしれないから・・・。」
「・・・・・・。」
一瞬間をおいた後、緋凰の顔が歪んだ笑みを作る。
「へぇ?そういう自覚はあんのな。」
この、歪んだ表情が、嫌い。
私を責めるのはいいけど、自分まで責めて、傷つけているようで。
昔はこんな顔しなかったのに。
やっぱり、私が、全ていけないのかな。
私が、緋凰を苦しめているのかな。
『グイッ』
後頭部を掴まれ引き寄せられて、一回は遠くなった緋凰との距離がまた縮まって、緋凰の顔が目の前にきた。
*
それはもう、謝ることを本能に刻み込まれているみたいに、謝った。
こうなった緋凰からとられるのは、とられすぎるから、危ないから。
感情の高ぶりのままに理性が飛んでしまいやすいから。
獣になってしまいやすいから。
緋凰は私の言葉に一回顔を放して、金色の瞳のまま、不思議そうな顔をした。
「お前、俺に怒られるようなことした覚え、あんのかよ。」
「わかんないけど・・・。でも、知らないうちに緋凰に嫌な思い、させてるかもしれないから・・・。」
「・・・・・・。」
一瞬間をおいた後、緋凰の顔が歪んだ笑みを作る。
「へぇ?そういう自覚はあんのな。」
この、歪んだ表情が、嫌い。
私を責めるのはいいけど、自分まで責めて、傷つけているようで。
昔はこんな顔しなかったのに。
やっぱり、私が、全ていけないのかな。
私が、緋凰を苦しめているのかな。
『グイッ』
後頭部を掴まれ引き寄せられて、一回は遠くなった緋凰との距離がまた縮まって、緋凰の顔が目の前にきた。
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