香る紅
美詠子さんと秋野さんを筆頭としたうちの人たちには、特に何を言われるでもなかった。
けれど、しこたま食べさせられたり、やたらとかまわれたり、もういやってくらいベッドにはりつけにされたりと、嬉しいけど、怒られるよりも居心地の悪い行動を取られた。
事が大事になるのを恐れたらしくて、今回のことは、緋凰と私の屋敷内でとどめられて、でも、祈咲ちゃんや実紘くんだけには、やっぱり伝わっていたらしくて、実紘くんには諭されて、祈咲ちゃんには泣かれてしまった。
「だから、自分の思ってることはちゃんと言えって言ったのに・・・。」
「織葉のバカー!!緋凰がだめだったら、私の所に来ればいいじゃない!私を捨てて死のうとするなんて、ひどすぎるー!」
2時間くらい、離してもらえなくて、緋凰の機嫌が悪くなったほど。
二人には怒られると思ってたって言ったら、緋凰は、
「織葉は怒られることはねぇんだよ。・・・その代り俺がしこたま怒られた・・・。」
なんだかげんなりして、そのまま抱き寄せられた。
あ、珍しい。
「へんなの、緋凰が、あの二人に怒られるってだけでも珍しいのに、それでしょげてるなんて」
あんまり珍しくて、ふふ、と声を出して笑うと、緋凰の手が、頬を包み込んでくれた。
「そうやって、笑っていろ。そうすれば、俺は、織葉を守る」
「・・・!」
「織葉の笑顔、好きだぞ?何よりも綺麗だ」
「―――っ!」
そんなことを優しい顔で真剣にいうものだから、恥ずかしくて、顔があげられなくなってしまった。
*
けれど、しこたま食べさせられたり、やたらとかまわれたり、もういやってくらいベッドにはりつけにされたりと、嬉しいけど、怒られるよりも居心地の悪い行動を取られた。
事が大事になるのを恐れたらしくて、今回のことは、緋凰と私の屋敷内でとどめられて、でも、祈咲ちゃんや実紘くんだけには、やっぱり伝わっていたらしくて、実紘くんには諭されて、祈咲ちゃんには泣かれてしまった。
「だから、自分の思ってることはちゃんと言えって言ったのに・・・。」
「織葉のバカー!!緋凰がだめだったら、私の所に来ればいいじゃない!私を捨てて死のうとするなんて、ひどすぎるー!」
2時間くらい、離してもらえなくて、緋凰の機嫌が悪くなったほど。
二人には怒られると思ってたって言ったら、緋凰は、
「織葉は怒られることはねぇんだよ。・・・その代り俺がしこたま怒られた・・・。」
なんだかげんなりして、そのまま抱き寄せられた。
あ、珍しい。
「へんなの、緋凰が、あの二人に怒られるってだけでも珍しいのに、それでしょげてるなんて」
あんまり珍しくて、ふふ、と声を出して笑うと、緋凰の手が、頬を包み込んでくれた。
「そうやって、笑っていろ。そうすれば、俺は、織葉を守る」
「・・・!」
「織葉の笑顔、好きだぞ?何よりも綺麗だ」
「―――っ!」
そんなことを優しい顔で真剣にいうものだから、恥ずかしくて、顔があげられなくなってしまった。
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