─泣き虫×強がり─



あたしの両親には
多額の借金があった。



娘であるあたしには
隠していたのだろう。



でもあたしには
わかっていた。



留守番してるときに
かかってくる電話。



──プルルル…



「はい、もしもし」



「はやく金払えよ」




「え…?」



「とぼけてんじゃねーぞ!!」



恐怖で足が震えた。



電話越しで怒鳴る
知らない男。



それが借金取りだと
気づくのにそんな
時間もかからなかった。













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