─泣き虫×強がり─
家族の笑顔が
頭に浮かぶ。
記憶と全然違う
現実に涙もでなかった。
捨てられた。
その事実を
信じたくなくて
あたしは家族が
よく集まっていた
リビングの真ん中に
ポツンと座り込んだ。
広くて寒い部屋。
あたしは体育座りをして
自分の身体を抱き締めた。
その瞬間。
学校で会った
男の香りが自分の服から
匂ってきて
あたしはすごく安心した。
会いたい…
助けて…
独りぼっちにしないで──…