─泣き虫×強がり─



「あたし…
どうしてここに
いるのかな…って」



「独りだったから」



俯くあたしに
隆の声が降ってきた。



「え…?」



「梓が独りだったから
連れてきた」



「独り…」



そうだ…



あたしは両親に
捨てられたんだ…



あたしは拳を
ギュッと握りしめた。



涙でその拳が
滲んでいく。



その時。



「泣きたきゃ泣け」



隆の声がまたもや
降り注がれる。











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