「彼」
そんな状態で、何週間も過ぎた。




相変わらず、私の気持ちは曇ったまま。


相変わらず、先生は普通に授業をしてた。



何でこんな気持ち?





好きじゃない。

私は彼を好きじゃない。



ただ、はっきり聞きたいだけ。





夜、一人の部屋で。

私は、名簿を取り出す。



「柴田了」



ゆっくりと指でなぞって。

受話器をとり、ボタンを押した。
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