「彼」
もう、真っ暗で。


あたりは闇に包まれて。



ふいに、先生が言った。




「俺は、教師やろ?」




そんなん決まってる。



私が言うと、




「そういうんやなくてな。・・・おまえの中でも教師なんやろ?」




胸を突かれたような痛み。



もう、私は。





先生のことが好きなんだ。





そのことに気付いて。
< 22 / 69 >

この作品をシェア

pagetop