「彼」

「駅についたらまた電話するから」


慌てて言って、電話を切る。



どうしたの?



聞くと、




「おまえはさ、自分で気付いてないんだよな」




「最初に送った日、何で抱きしめたかくらいわかるやろ?」




先生の目は、まっすぐで。




「俺はね、教師だけど、男なんだよ。」





先生の目は、

怖くて。



私は目をそらした。



先生はたばこを消して、

大きなため息をついて。




細い指で・・・






私の髪をなでた。
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