「彼」

「先生は本気で好きになったことあるの?」


先生は、


「そりゃ、俺32だよ?」


そーだよね。



きっと今までだって。



こうして、車に乗って。


今と同じように髪に触れたりしたんだ。




先生からは、ありきたりな言葉を聞いていないけど。


もしも、私が考えてるような気持ちなら。



ずっと・・・


触れていてほしい。





「先生・・・。私、好きかも」




ふいに、口からこぼれて。
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