「彼」
「くすぐったい?」



先生が笑いながら聞く。


私は首を横に振るのが精一杯。




高2にもなってて、


今までだって彼もいたのに。



男の人の温もりを感じたのは初めてだった。




「先生は・・・私なんかの何がいいの?」


私を見て、ニヤリと笑って。



「『私なんか』がいいの」

そう言った。


なんだか、ホッとした。




私でもいいんだ。


このままでいいんだ。





この人になら、



全てを見せてもいいのかな。


信頼してもいいのかな。
< 28 / 69 >

この作品をシェア

pagetop