「彼」
私が通っていた学校は、各教科ごとに実習室があった。

生徒の自習、補習なんかに自由に使えるようになっていた。

参考書や、先生が作った問題集なんかもあって、進学を目指す生徒は通い詰めたりも。

いつもは、何人かの生徒がいるけど。

その日は、誰もいなくて。
先に着いた私は、座って窓の外を眺めてた。


私は何してんだろ?

ふいにそんなこと考えた。
時間ばかりが過ぎても、なかなか先生は来なくて。


でも職員室まで行くのも面倒。


もう帰ろう。


そう思った時、


「遅くなってごめん!」

慌てた口調でそう言いながら、先生は入って来た。
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