「彼」
私を呼び出した先生、柴田先生は。

多分、かっこいい部類に入るだろう見た目といつも、笑顔の先生で。

生徒からの人気は高かった。

先生は、

「もう少しがんばらなあかんぞー」

そんな風に言いながら、丁寧に教えてくれた。

解れば勉強もおもしろいもので、時間はあっという間に過ぎていく。


気付くと、もうとっくに帰らなくちゃいけない時間。

私が慌てて支度をしていると、

「送るわ」

柴田先生は言った。


少しためらったけど、電車の時間もなくて。



私は柴田先生の車に乗り込んだ。
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