「彼」
「よし!」


先生は言って。



「雪?」




私の名前を呼んだ。



今まで、



「おまえ」



そう呼んでたから、




すごく驚いて。




「雪?約束守ってくれるんやな?」



また、呼ばれて、


なんだか苦しくて、切なかった。



「あー、雪って呼んでいい?」



後から、


こんなこと言うから。


思わず、笑ってしまったりもして。





それでも、


私は先生の気持ちがつかめなくて、


不安なまま、聞いた。
< 43 / 69 >

この作品をシェア

pagetop