「彼」
後ろから、


先生は私を抱きしめて。



あれ?

先生ってこんなに背、高かった?




そんなことを考えたりした。




「会いたかった」




背中越しに、先生はつぶやいて。





「もう・・・いいやろ?」


そう、言った。



・・・何が?


私が聞くと、




「もう・・・いいやろ?分かるやろ?」




苦しそうで。




わかるよ?


一緒に・・・いよう?



私が言うと、





先生は、


痛いくらいに私を抱きしめて。




「ありがとう」



何度も繰り返した。
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