「彼」
私を開放した先生は、私の顔を見て。



照れたように笑った。



それは、


学校ではみたことのない顔で。



顔だけじゃなくて、



さっきの、


早過ぎる胸の鼓動も、

切なそうな声も、

吐き出された言葉も。



私のためにあるんだ。




そう思った。




不思議と、私は穏やかで。




ここに、ずっといたい。



先生を、ずっと見ていたい。




そんな風に思った。
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