「彼」

「なんで！？会いたいって言ったのはりょうちゃんだよ！！」



りょうちゃんはびっくりしてた。



気付いたら、


涙もポロポロ流れてて。



「どうして・・・」



そればかり繰り返してた。



急に会いたいって言ってくれて、


私はかなり嬉しくて。




でも、


そっけないりょうちゃん。



手を繋ごうとしたら、

逃げたりょうちゃん・・・。



私は、わからなかった。




泣き続ける私に、

最初は困った顔して。



でも、こう言った。





「おれね、いい歳した男なんだよ？」




一瞬、何を言われたかわからなくて。





りょうちゃんを見つめた。