「彼」
「あのね、雪。」



りょうちゃんは話し出した。



「おれは、雪が大事。わかる?」



うん。




「おれは、雪を愛してる。これもわかるやろ?」



うん・・・。



こんなこと言って、ひかんといてな、



そう前置きして。




「おれはね、言い方悪いけど・・・雪をおれの物にしたいの。」




「雪はまだ16だよね。おれ、32でしょ?」




「正直・・・おれ基準で考えちゃいかんと思ってた。でも、もうだめやわ」



そこまで話して、


タバコを消して。





りょうちゃんは、私を抱きしめた。
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