「彼」
抱きしめたまま、
耳元で話し続ける。
「おれな、雪をめちゃくちゃにしたいって思う時がある」
その言葉に、
私は体を緊張させる。
私が逃げないように、
しっかり抱きしめたまま、
「なぁ・・・わかるやろ?」
わかるよ。
そう答えた私。
少し体を離して。
顔を見て。
「こんなこと言うのも格好悪いけど。」
「大丈夫?おれ、怖くない?」
怖くない。
好きだよ。
私の言葉に、
「もう・・・あかんからな?」
そう言って、初めて、くちづけを交わした。