「彼」
きっと短い時間だった。



でも、私には、

長くて、

苦しくて、


幸せな時間。 





また抱きしめてくれたりょうちゃんは、




「うわ、すげー!雪バクバク。」



ふざけたように笑った。




だって・・・

初めてなんだよ。




そう言うと、


すごく穏やかな顔で笑って。


小鳥がついばむようなキスを何度もした。



その合間にも、




「雪?大丈夫?」




そんな風に心配してくれて。

すごく幸せだった。




そして、




「ドライブしよかー」




りょうちゃんが言って。




手を繋いで、車に戻った。
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