◆今宵、さくらの木の下で
本当の理由
「僕がここに来た理由は、百合子さんに呼ばれたんです」
私に?
「はい。人間が強い願いをもったとき、妖精は叶えにいくんです。その願いを」
「じゃあ、私が強く願ったから、雅は現れたのか」
でも…私、自分の願いが分からない。
私、何も望んでない。
「百合子さん…“友だちがほしい”って願ってましたよ。
普通、妖精は願いを聞きつけてから、タイミングを見計らって現れるのに、百合子さんの時だけは違った。
強く強く願っていて、あんなに強く引き寄せられるのはじめてでした。だからあんな変なタイミングで現れちゃったんですよ?」
正直、後のほうはあんまり聞いてなかった。
私…自分の知らないところで友だちがほしいって願ってたんだ。
私に?
「はい。人間が強い願いをもったとき、妖精は叶えにいくんです。その願いを」
「じゃあ、私が強く願ったから、雅は現れたのか」
でも…私、自分の願いが分からない。
私、何も望んでない。
「百合子さん…“友だちがほしい”って願ってましたよ。
普通、妖精は願いを聞きつけてから、タイミングを見計らって現れるのに、百合子さんの時だけは違った。
強く強く願っていて、あんなに強く引き寄せられるのはじめてでした。だからあんな変なタイミングで現れちゃったんですよ?」
正直、後のほうはあんまり聞いてなかった。
私…自分の知らないところで友だちがほしいって願ってたんだ。