◆今宵、さくらの木の下で
「じゃ、行きましょうか」
私の手をとって、校門へと向かう。
ちょっと待って。
「どこ行くのっ?」
「百合子さんの家です。僕、家ないんですよね」
そっか。
あるわけないよね。
でも、お母さんとお父さんがいるし…
「ご両親も僕のことは見えないですから、安心してください」
…そういう問題じゃない!
心の中でそう叫びながら、雅につれられて家路に着いた。
私の手をとって、校門へと向かう。
ちょっと待って。
「どこ行くのっ?」
「百合子さんの家です。僕、家ないんですよね」
そっか。
あるわけないよね。
でも、お母さんとお父さんがいるし…
「ご両親も僕のことは見えないですから、安心してください」
…そういう問題じゃない!
心の中でそう叫びながら、雅につれられて家路に着いた。