SS
5.うしろから
私の家で彼とふたり
私はこたつで頬づえをついて
彼は床に寝転んで
その状態でふたりで話す
近いようで遠い距離
隣に来て話してほしいのに
でも、そんなことを言えない私はこたつ机にうつぶせて、そのまま話す
ふいに彼が動く気配がして
身体を起こそうとすると、うしろから抱きしめられた
そのまま私の肩にあごを置いて、身体にまわす腕に力を入れる
あったかくて
すごく幸せ
ずっとこうしてほしかった
でも言えない私は、机にうつぶせて何も見えないようにしたんだよ
あなたは私が見ていたら動かなかったでしょ?
照れ屋さんに動いてもらうための私の策略
許してね
一緒にいるだけで楽しくて
ドキドキして
幸せな気持ちになれる
これからもずっと一緒にいてね