ごめんね・・・。
目が覚めた。

ここは、きっと保健室だろう。

「やっと起きたか?」荒井が上から顔を覗き込んでいる。

「お前、急に気絶するからびっくりしたよ。」

本当に心配そうな顔をしている荒井。

初めてこんな顔を見た。



「夢を見たの。」

周りがいないことを確認し、続きをはなす。

「姫良里が言ってた。『私の分まで荒井と幸せになって』って。」

荒井の顔を見る。


少し恥ずかしかった。

「そうか。じゃあ、後2カ月我慢したら、俺とつきあえよ。」
真っ赤な顔で私に言う。

「その時、好きな人がいなかったらね。」
上から目線に言う私に。


「お前。俺に惚れてる癖に生意気だな。」

私を抱きよせていう。



私は心の中で思っていた。
(姫良里。私だけごめん。でもありがと。)
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