猫は太陽が好きなんだ
「私、拾って良い?」

「はぁ!?」


つい、きつい口調で驚きを隠せない反応をしてしまう夏樹を見て理子は続ける。


「だって帰る所、無いんでしょ?いつまでもここに居てもね?」


言われて見ればそうである。
いつまでも路地裏に居るわけにはいけない。


と言っても、恋してる女の子の家に住むってのはどうなのだろうか。

なんて考えるだけで顔が赤くなってしまう。
まぁ、全身黒い毛で覆われてるから、赤くなってるなんてわからないが。


「良いでしょ?」


追い詰められる心。
自分は猫と言い聞かせ気持ちを固める。


「じゃ、じゃあ・・・お邪魔します。」


急に恥ずかしくなって、顔を俯かせる。


第2の人生。

猫になった俺は理子の家に住む事になりました。
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