猫は太陽が好きなんだ
何気ない俺の一言に首を傾げる。
その仕草にキュンとくる。


普段は、ときめくほど自分にも自信が無いのに。
今は自分に自信があるわけじゃない。


ただ、ただ単に理子が好きなんだ・・・。

「夏樹君。」


「え、な、何・・・・・・。」


「どうして話せるの?」

当たり前の疑問。
答えは同じ。



「人間だから。」



そう言うと理子は微笑んで


「そっか。」



と受け入れてくれた。
そして白くて細い指で俺の頭を優しくなでてくれた。
この瞬間、落ち着く。

生前、理子が俺の名前を呼んでくれた時と同じ。
心も楽になる感じ。

上手く表現ができないくらい。


理子という存在は俺を落ち着かせるんだ。
< 23 / 50 >

この作品をシェア

pagetop