猫は太陽が好きなんだ
「夏樹君と声似てる。」

「え・・・・・・!?」


夏樹君とは俺が猫のときの名前。
いや、人間の時も夏樹なんだけど。


「夏樹君・・・が人間になったのかな?」


そう言って理子は冗談交じりに笑っている。
本当の事なのにって心で思ってしまった夏樹なのであった。


「ねぇ、あなたの名前は?」

「お、俺?俺は、笹川夏樹。」

「え?私の猫の名前と一緒だ!」

「そ、そうなんだ。」

「うん!とっても可愛いの。優しくて不思議な猫。」

「そっか。」


自分の事をこう言ってくれる人は理子しか居ない。
とても嬉しかった。


「はい、ドーン!!」


いきなり聞こえる生意気天使の声。
理子は天使が現れると共に倒れてしまった。

「り、理子!?」

そう言って夏樹は理子を揺する。
そんな夏樹を見て天使は呟いた。

「もうじき1時だぞ。猫に戻ったら、こいつびっくりするだろ。」

天使を見れば右手にハンマー。

「おい、まさか・・・・・・お前、それで・・・理子を・・・・・・。」

「ん?あ、気にするな。これはピコピコハンマーだ!」

「そういう問題じゃ無いんじゃ・・・・・・。」


俺がため息をつく。
すると視界がいきなり低くなった。

鏡には猫が映っていた。

第1章 完
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