猫は太陽が好きなんだ
「・・・・・・体育の授業か?」

校門の柵をスルリと抜けグラウンドの隅に座り込む。

あの頃と変わらない。

あの日と変わらない。

全てを投げ出した、あの日もグラウンドでは放課後に残ってサッカーをする生徒数人と綺麗な青い空が俺を見送った。


しばらく体育の授業を見つめてみる。
そして、あることに気がついた。


ただ1人。
1人だけパスをまわされていない子が居ること。


ただボールをめがけて走るだけ。
本気でやってないし、顔は楽しそうでもなく辛そうでもない。

ただ表情は乾いていた。


「・・・・・・俺、みたい。」
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