猫は太陽が好きなんだ
「大丈夫……?」

冷たく低い声で夏樹は目を覚ました。
目の前には先ほど“昔の自分”と称した男子が座っていた。

「あぁ…大丈夫。」

人の言葉で喋ってしまった。
何も表情の無い顔に驚いた表情が広がっていった。

「何で話すの…?」

「え……。」

応答に困る。
すると男子は微笑んだ。

「お前、笑ってた方が良いぞ。」

「は?」

「サッカーん時、1人だけ顔が無表情だった。」

「あぁ、見てたの。」

男子は空を見上げて寂しそうな顔をした。

「俺、半田太一って言うんだ。」

「俺、夏樹な。」

「わかった。」


両者顔を見合わせる。
2人とも笑った。

「何で笑うの…。」

「お前もだろ。」

太一の体操服には『1-2』のマークがあった。


俺の…後輩か。
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