猫は太陽が好きなんだ

さよならと

「あれ…。」

見覚えのある暗い場所。
自分の脳内に声が響く。

「何だ、連れてきてやったんだぞ。礼くらい言え。」

その声は紛れもなく天使。
そして、この場所は始めの場所だった。

「結構なもんだったろ?2日間。」

「あぁ。理子と暮らして太一と話して、茶々とも友達になった。」

こっちに戻るのが本心だった。
元の姿に戻るために戻ってきたのに。


涙が止まらない。

このまま自分が元に戻れば、俺はどうなる?

みんなから忘れられたままだ。


「お前、命の重み…知ったか?」


“命の重み”


その言葉は凄く重たかった。
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