猫は太陽が好きなんだ

新たな一歩

「夏樹君ー!」

気づけば、そこはベッドの上。
懐かしい施設の天井が目にはいる。

「……あれ。」


起き上がって鏡を見る。

もう猫では無かった。


窓から外を眺めると下から声を出す女の子が居た。


「り、理子…。」

「あ、居た!夏樹君!学校遅れるよ?」

「え、あ…待ってて。」


そう言って急いで制服に着替える。

前と同じ。
死ぬ前と同じ生活。

もう1度鏡を見てみる。


三角の耳も黒い毛も手足の裏の肉九もない。


夏樹は鏡の自分に笑いかける。

「もう、負けない。」

そう言って外に出た。
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